5月31日(土)15:00~17:30
会場 ほびっと村学校
講師 クンチョック・シタル
聞き手、話し手: 梅野泉
参加費 4500円(ペアで参加の場合 8000円)
お申込みはナワプラサード書店にメールで hobbit@ea.mbn.or.jp
⁂講座終了後、懇親会を予定しています。2階のバルタザール(自然食レストラン)を予 約しますので、参加希望者は申込時に、懇親会希望とお伝えください。飲食代 /実費
チベット仏教の世界観を知りたいと思うなら、カーラチャクラは外せません。なぜなら、カーラチャクラは仏教の最も熟成した姿、最も高度な密教、と言われ、秘密裡に受け継がれてきたいわばチベットの中枢にある教えだったからです。ポタラ宮のなかで守り続けられた教えは、しかし、1959年のチベット亡命という苦難の歴史のなかで、ヒマラヤの神秘の国から突如現代史に浮上したダライ・ラマ14世の手によって、世界に開かれたものとなりました。
ダライ・ラマは、カーラチャクラを人種や宗教を超えた「平和のための祈りの祭典」として、現代に甦らせたのです。
このことは、チベットが、世界平和のための役割を果たすひとつの象徴と言えるでしょう。これは、チベットを語るための大きな要素です。
もうひとつ大切なことはカーラチャクラには、私たちの知性が及ばないほどの宇宙観が圧倒的な真理として展開され息づいていることです、
ここまでくると、チベット密教がいかに現代科学をも凌ぐ、最先端の見解を内包しているのか、が垣間見えるのです。
ちなみに、カーラチャクラとは「時の輪」を意味します。
しかし、時の輪、とはいったい何を表わす言葉なのでしょうか?
私が初めてカーラチャクラに出会ったのは、1985年12月ブッダガヤでのことでした。そこには砂埃舞う広場に、20万ともそれ以上ともいわれる人々が、世界中から集まって、13日間の間、ダライ・ラマの教えに熱心に耳を傾けていたのです。美しい五色の砂マンダラや、僧侶によるカーラチャクラの舞も披露され、それらはすべて教えと結び着く壮麗なものでした。
では、その教えとはどんなものなのでしょうか?
カーラチャクラの宇宙観が、古代ボン教や仏教においても、チベット医学においても大切にされている五大元素と深いかかわりがあるのを知り、今回は、そのあたりを深堀したく、カーラチャクラについて深い知識をお持ちのクンチョック先生にお話しをお伺いするという貴重な企画が実現することになりました。クンチョック先生との講座では、「ミラレパの六波羅蜜」などで大好評を博したことを覚えている方も多いことでしょう。
さて、地球上でカーラチャクラが教えられたのはシャンバラでのことでした。先ずは、そこからお話しをすすめていただこうと思います。
そして、なぜ、平和と関連するのか?
カーラチャクラのマンダラとは?
種字の持つ意味合いとは?
カーラチャクラの時間論、空間論は、けた違い?
いま、この時代に、カーラチャクラを学ぶことの意義とは?
カーラチャクラの全体像を説いていただいた後は、質問の時間もたっぷり取りたいと思います。
クンチョク先生には主に教義の面から、梅野は、詩的な側面から、カーラチャクラで体験したことを語ることができればと思います。これは、カーラチャクラが多面的に語られるまたとない機会です。
この最大限に宇宙的な時間に、心の扉を開けてまっさらな気持ちでお入りください。
カーラチャクラという宇宙に向かうスペースシャトルでお会いしましょう❣
(文責: 梅野泉)
ご注意:この講座では、カーラチャクラの修行法の伝授はいたしません。
修行法を希望される方には、こちらにご参加後、別途、ご案内申し上げます。
講師プロフィール
クンチョック・シタル師 (ポタラカレッジ副会長/主任講師、智山伝法院非常勤講師など)
1952年チベット本土のリラ村に生まれ、中国のチベット侵攻により、少年期にインドへ亡命。73年よりダラムサラの仏教論理大学で伝統的なチベット仏教の学問と修行を積む。ダライ・ラマ14世の要請により83年に来日。日本仏教を学び、チベット仏教との比較研究を行う。92年、大正大学大学院仏教学博士課程満了。98年まで、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所文化交流担当官を務める。現在、真言宗寺院をはじめ諸団体に請われ全国各地で講座を行う。共著書「チベットの観音心経」、監訳書「ダライ・ラマ大乗の観想法」、共訳書「14人のダライ・ラマ」他。
梅野泉(うめのいずみ::ダンシング・ポエット、翻訳家、ヒーリング・パフォマー)
芦屋市に生まれ、エジプト・アレキサンドリアで育つ。雑誌編集者を経てコピーライターとして勤務。1985年、チベッタン・ラマとの衝撃的な出会いを体験。その冬、ブッタガヤのカーラチャクラに参加。88年ダラムサラでダライ・ラマに単独インタビュー。チベット難民村を訪ねる。帰国後、チベットの慈悲の心、生き方・死に方について伝える会を開催するかたわら、何人かの師から密教とゾクチェンを学ぶ。舞踏に目覚め大野一雄に師事。ほびっと村で「コトバをダンスする」を主宰。訳書「チベッタン・ヒーリング」、「ダライ・ラマの猫」、共訳書「雪の国からの亡命」他。詩画集「OIL RABBIT」、「恋文」。
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